みなさんは、会社の個人年金保険に加入されています?
私は、3年前に保険料が控除される点に魅力を感じ加入しましたが、今年から解約しております。個人年金保険によって得られる効果は単利であって、複利ではないことに気づいたためです。(気付くのが遅かった、、、)
支払う必要がなくなった分は株式投資に回すこととしておりますが、ここでは私が個人年金保険を解約した理由を記載していきます。
1 個人年金保険で得られる節税効果について
個人年金保険は、老後生活の資金を確保することを目的とする生命保険であり、在職期間中に資金を積み立て、払込満了(退職時等)に個人年金として活用するものです。
詳しい制度説明はここでは行いませんが、要は自分用の年金を作るというもので、最大の特徴は、税制適格制度を利用することで、支払う保険料のうち、一定額を所得から控除できるというものです。
控除できる額は、年間払い込み保険料によって変わってきますが、8万円を超えた額を年間で積立年金保険料として払えば、4万円が控除されます。8万円以下の保険料であれば、大体払い込み額の半分超の額が控除されると考えていただいて問題ありません。
具体的に年間8万円の積立年金保険を支払っており、課税される給与所得が300万円の人を例にしますと、年間8万円を積立年金保険料として払っているので、所得から4万円が控除されます。そして、課税所得が300万円であれば、給与所得にかかる税率は10%ですから、控除された4万円分の税金は払わなくてよくなるので、4000円分支払う税金が減る=年末調整で帰ってくることになります。(控除4万円÷税率10%=4000円)
よって、8万円の保険料を払うことで、4000円の還付が得られるわけですから、利回りでいうと約5%となります。これが長期で続けていれば元本も保証されるわけですから、私は「やるっきゃない!」と飛びついたわけです。
(これは計算をかなりシンプルにしたものですから実際とは若干異なりますのでご留意を)
<個人年金保険料控除の適用額>
参考引用元「個人年金保険料控除の上限はいくら?適用条件についても詳しく解説|りそなグループ」
<所得税の速算表>
引用元「No.2260 所得税の税率|国税庁」
2 積立年金保険で得られる節税効果は単利である。
意気揚々と飛びついたものの、3年経過したときに気づきました。これって単利じゃね?
積立年金保険の節税効果は、支払った保険料についてのみ生じます。つまり長年積み立てた元本についての利息は発生しないんですね(当たり前ですが。)
私は、3年間加入してフルに支払っていたこともあって、今年で50万円分の積立ができておりましたが、その積み立てている金額に利息はのりません。50万円の投資金額に対して、4000円の節税効果が得られるので、投資利回りでいうと0.8%にしかなりません。これから、所得が増えて節税メリットが増えたとしても、その分投資金額も増えていきますから、利回りは上がっていかないでしょう。
節税効果にばかりに目が奪われて、全体資産額からのリターンという投資の基本原則を忘れてしまっておりました。株式投資をはじめ、いろいろな株の本の勉強をして、FPの資格をとったにも関わらず、いまさらこの事実に気づいたわけですね(;'∀')
解約して返戻される保険料については、当然株式投資に回す予定です。
3 ただ、元本保証で節税効果のある貯蓄としては悪い制度ではない。
ここまでいろいろ言いましたが、銀行の定期金利が0.01%とかそんな時代にあっては、元本が保証された保険で一定の節税効果が得られるのはそう悪い制度ではありません。(元本保証といっても短期間で解約してしまっては、払い込み金額を下回ってしまうので注意です。)
株式投資をやりたくないけど、とりあえずメリットのある制度を使いたい、そんな人には「損にはならないよ」とおすすめできるものではありますね。
4 最後に
そもそも投資の目的は資産額を増やすことです。そして、保険とは何かあったときに資金に困らないようにするものです。節税がどうのこうのというのは、それらの副次的な効果にすぎません。
勉強してわかった気になっていたが、一つ一つ実践することでこうした当たり前のことに気づく。いい勉強になりました。